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【第一話】はじまりの狼煙

by
ハリス漆原
ハリス漆原
バーチャファイターの新作?が家庭用でリリースされるという眉唾ものの情報が私界隈のTwitterで出回り始めたのは4月中旬頃のことだったと思う。

その情報を目の当たりにしてしまった瞬間から、私の頭の中はそっちモードに入り、そっちモードに行くための最短距離を脳内で計算し始めていた。それはほぼ無意識の中で行われていたと思う。

"JIN氏"がTwitterでメルカリに出品中の新品のアケコンをオススメしているツイートを見た刹那、すでにポチっていた。 バーチャ用語でいうところの虫反応だ。

そしてそれはすぐに届く。

何もない1畳の部屋にポツンと新品のアケコンが置かれている瞬間は確かにあった。ただそれは本当に瞬間で、その日以来勝手にamazonやらヨドバシから荷物が届き続けることになる。人は無意識に行っていることを記憶しておくことはできない。

実は私は4月から新居に引っ越しており、私専用の1畳スペースを設けてもらうことに成功している。その代償として、1畳以外のスペースの家具やレイアウトには一切の口出しが出来ないという悪魔的契約を妻と交わした。妻の前世はきっと人買いに違いない。

その契約以来、アンティークだかヴィンテージだか知らないが、中古のくせにやたら値段の高い家具やらランプやら絨毯やらが、広かったはずの新居にドカドカと届く様子を無表情で眺め続けてきた。それは一国一畳の主となるために必要な代償だった。

この城に私の心血を注ぐ様を皆様にお見せしていこうと思っている。夫でもなく、社会人でもなく、1人のバーチャファイターであり続けるための戦いを。

更新日時:2021/10/02 11:19
(作成日時:2021/05/28 19:25)
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日記
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