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二択がなぜ必要なのか

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kan
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・まず定義として、俗に言う二択とはフレーム差をベースに打撃と投げの択を迫る考え方であり、
割りこまれない打撃、しゃがまれない投げを状況と用いる技のチョイスによって両立させることで成り立つ戦術です。
相手のスカしだとか捌きなどを考慮するのはその前提を踏まえた上でのものとなります。


・対して相手の行動に先回りして当たる技を用意する癖読みは特に指針があるものではありません。
いわゆる「遅らせ」や「体内」と呼ばれる行動は、ある意味相手を信用した選択肢であるとも言えるでしょう。

成功時には相手の予期していない場所でダメージが取れたり、
フレーム通りの組み立てでは得られないような大きなリターンを望めたりする半面、
先手を取れるシステム的なアドバンテージがない、あるいはそれを手放すところから始まるため、
技術や知識以上にプレイヤー同士の相性が強く出やすい戦術です。

相手の行動を読んで最大のリターンを得られる選択肢を通しに行く、と言えば聞こえはいいのですが、
それを初見の相手にどれだけできるかと考えると3ラウンド先取という試合時間はどうにも短すぎるはずで、
大抵の場合、何かしら癖を見抜く前に勝敗は決してしまっているのではないかと思います。

そして苦労して見抜いたAさん用の癖読みが次に現れた対戦相手Bさんには通用するとは当然限らず、
そうなれば蓄積を一旦横にスライドしてBさんの行動を観察するところから改めてスタートすることに。
それでなくてもAさんが試合中に行動を変えられる力量を持つプレイヤーであった場合
そこまでのプランは瓦解し、残り時間を減らした状態からリスタートすることになります。


以上が「二択」と「癖読み」の比較です。
各項の文章量が違い過ぎて後者のネガティブキャンペーンのようにも映るかもしれませんが、
ある意味その見方も間違いではなく、なぜなら「二択」とは必要となる思考を削ぎ落としていく考え方だからですね。
攻防のベースを「プレイヤー」や「キャラクター」ではなく「フレーム」というシステムに置くことで
細かいところの読みやいらん勘繰りを極力しないようにするための手法と言いますか、
要するに「勝負どころを定めつつお互いの選択肢を絞り込む省エネ化作業を
ミクロな「相手」ではなくマクロな「状況」に焦点を当てて行う戦い方」
というわけです。


ここまでですでにタイトルへの答えが出ちゃっているような気もしますが、
つまるところ「癖読み」は消費するカロリーが非常に高いんですね。
戦法の基本として据えるには非効率すぎる手段だと思われます。

これが同じ相手が続く10先など長期戦が土台で、観察に費やすだけの余裕があったりするのであればまた話は別かもしれません。
しかし、多くの人が求めている強さというのはおそらく「初見の相手との一発勝負でも通用する強さ」であるはずで、
であれば特にランクマで勝ちたい、段位を上げたい、そして大会で通用するようになりたい
といったビジョンを持っている場合「普遍的、かつ言うなれば消費メモリの少ない戦い方を身に付ける必要がある」わけです。

現実には癖読み、長じて人読みの強さでSクラスに君臨している人も少なからず存在しており、
それを主体とした戦い方自体が否定されるものではない、というのも確かです。
ただその読みの強さを支えているのは「洞察力」だったり「判断力」「度胸」といったある意味フィジカルな部分であり、
無関係ではないかもですがゲームの技術や知識とはちょっと違うところにある要素だと思うんですね。
それを伸ばそう鍛えようとしたらたぶんゲームの攻略などとは違う鍛錬が必要なのではないかと。

なのでそういう精神修行みたいなものに手を出す前に
まずはゲームシステムの方を味方に付けられるようにしましょうね、というお話。
人心掌握に自信ニキとかは修行に挑戦してみてもいいのかもしれない。


以上、「二択がなぜ必要なのか」でした。

次は「二択とはなんなのか」「読み合いとはなんなのか」とかかな…
今回の補足とかもすぐに思い浮かびそうな気がしないでもない
更新日時:2022/07/06 18:28
(作成日時:2022/07/06 17:06)
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