「攻め」について触れたので当然次は「守り」に行きたいところではありますが、
その前に表題の件について少し掘り下げていきます。
投げの性能を語る上で「避けには回転系打撃や遅らせではなく投げである」というのはずっと言われ続けていることで、
だけどリスクリターンを考えれば考えるほど投げの不安定さの方が目に付くようになる、
というのもまた初級者にはありがちな落とし穴だと思います。
ではなぜ投げが最優先となるのか、そのあたりの理屈を実例を交えつつ説明していきます。
まずはこちらの動画をご覧ください。
・アキラ戦ではよく見る光景(0:00~)。
リモンをガードされて最速避けキャンリモンを出すセットプレイです。
相手の行動お構いなしに入れ込んでもそれなりに機能してしまう展開の速さがやっかいで、
リモンのコマンドが避けキャンの入力自体を兼ねているというのもあってお手軽かつなかなか強い連携です。
中途半端な遅らせ膝などは逆にカウンターをもらってしまうのは見ての通り(0:05~)。
・直線打撃は当然避けられ(0:07~)、入れ込まれたリモンが暴発することもありません。
半回転打撃は方向が合ってさえいれば直接潰すことも可能ですが、
外れた場合は直線打撃を避けられた時より大きな隙を晒してしまうこともしばしば。
もちろん全回転を撃つのも間違いではありません。
が、ウルフの場合は上段かつ発生24フレとこの場面で有効に働くとはちょっと言いがたい性能ですね。
・屈伸対策を兼ねた遅らせ投げはスパイン、通常投げのどちらも見ての通り(0:15~)。
遅らせた打撃ならば勝てるタイミングであっても投げだとリモンに負けてしまうので、
同じ遅らせにしても投げをもっと早く入力する必要がありました。
その後はキャッチ投げの9P+G、66P+Gを最速で出していますが、発生の遅い前者はリモンに負けてしまい、
66P+Gではなんとか吸えていますがリモンのモーションが途中まで見えているほどギリギリです。
・最後は全て最速の投げ(0:27~)。
スパイン、ジャイアントスイングはもちろんバーニングハンマーですらリモンの前に吸えています。
以上が行動の解説。
そして注目すべきは二点。
まず、遅らせ打撃と同じタイミングの投げではリモンに負けてしまう、と解説では述べました。
これは、
こちらの出す手札が打撃であれば、相手の出した打撃の攻撃判定が発生するまでに間に合えば勝てるのに対し、
こちらの出す手札が投げの場合は、相手の出した打撃が技のモーションに入ってしまった時点で負けてしまうから
です。
動画の例で言うと、ウルフの膝がリモンの技モーション13フレ目までに間に合えば潰せるのに対し、
ウルフのキャッチ属性ではない投げはリモンの技モーション1フレ目でもう無効化されてしまう、ということですね。
この部分もいろいろあるけど話が長くなるので今回は割愛。
・遅らせ投げは打撃のそれよりも難しい
・なぜなら投げは発生した打撃に問答無用で負けてしまうから
これだけ覚えておけばとりあえず問題ありません。
そして注目点二つ目。
相手-5からの最速避けキャンリモンを発生16のバーニングハンマーで問題なく投げられています。
これは単純な引き算で、たとえば-1からの避けキャン打撃であっても発生12までの投げならば掴めてしまうと。
つまり、
最小の不利からであっても避けを絡めたあらゆる行動には最速の投げが成立する
と言い換えることができます。
もっと言うと、仮にフレーム差プラマイゼロで五分の状態からの避けキャン打撃に対してであろうと、
普通に出せば発生11フレームになってしまうブラッドの66P+Gみたいな投げでさえ確定で決まってくれます。
こうした事象と成功避けが出るのは-1からなのを合わせて考えるに、
そもそもの想定として、攻める側の投げは避けに勝つよう調整されているのだと思われます。
これが「避けには回転系打撃や遅らせではなく投げである」のはなぜか、への回答です。
打撃とかち合った投げが一方的に負けるのと同様、投げとかち合った避けも一方的に負けるよう設計されているから
と表現するのがわかりやすいでしょうか。
打撃、投げ、ガードの三竦みと同じ理屈で投げと避けの場外乱闘がある、とまとめたところで今回はここまで。
次はさすがに守るとはなんなのか、だと思いますきっと。