初めに言っておくとVFesのシステムでは守る側よりも攻める側のが圧倒的に強く、
特に初級~中級付近の層が上を目指したいのであれば、防御技術のバリエーションを身に付け磨くよりも
攻撃力を伸ばすことに労力や時間を費やした方が結果に結びつきやすいだろうと思われます。
これはオフェンス側の取れる選択肢が多彩かつどれを食らってもやたら痛いのに対し、
ディフェンス側の取れる行動の大半にリスクが設定されているためです。
守りの基礎であるゆとりガードは非常に堅固ですが、どうあがいても2/3の確率で投げを食らうように出来ています。
避けはもっとわかりやすいですね。回転系の打撃はカウンターで食らうようになっていますし、
投げに対しては投げ抜けでフォローしようとも1/3でしか防ぐことができないのはゆとりガードと同様です。
屈伸は投げを無効化しつつ中段打撃はガード出来るとはいえ、行える場面がそもそも制限されています。
また、下段投げを持つキャラ相手にはしゃがむ途中を直接掴まれてしまう可能性もありますね。
屈伸や避けはその後の状況判断(確反含む)込みでより大きなリターンを得られるものの、
いかんせんどちらも展開が目まぐるしく、熟練のプレイヤーであっても使いこなすのは大変、という側面もあったりで、
システム的にも必要な技術面から見てもオフェンス側が優遇されている、というのは言い過ぎかもしれませんが、
まあ単純に攻めるよりも守る方がずっと難しい、というのは恐らく皆が感じていることでもあるかと思います。
察するにesは「守りきれないように作られている」ゲームだと思うんですね。
技術では埋めきれない穴がそのまま読み合える余地になっている、みたいなイメージを自分は抱いています。
それゆえに「守りきろう」とすると、おそらくはうまく行きにくいのではないかと思います。
では、どうすればうまく守れるようになるのか。
「攻めるとはなんなのか」において、
・攻める側としては一回の読み合いをなるべくシンプルに、かつ読み合う回数自体は減らすことを目指していく
と述べました。これはそのまま
・守る側としては一回の読み合いをなるべく複雑に、かつ読み合う回数自体は増やすことを目指していく
と言い換えられます。
例えば、
屈伸を徹底することで痺れを切らした相手が遅らせた投げで崩そうとしてくるのは、手番を一度捨てさせたのと同義でもあり、
「読み合いの回数を増やした」ことになります。
また、
コンボ始動が避けられるのを嫌った相手が回転属性の打撃を用いるようになるのは
「一回の読み合いを複雑にさせた」ことになります。
さらに、
相手の最速投げに合わせて最大のコンボ始動をパなすのは、相手のターンだった読み合いを直接ひっくり返しただけでなく、
「以降の読み合いにおける相手の投げを抑制する」ことにも繋がるわけです。
つまり、コンボ始動と投げに絞り込んだ最速二択に持ち込みたいオフェンス側に対し、
行動を散らして狙いを絞り込ませないような選択肢を用意するのがディフェンス側の指針となります。
加えてそうした読み合いが深まるにつれ、防ぎきれない被弾の扱いを考える必要が生じるようにもなります。
まず、ゆとりガードは打撃の拒否を最優先にした行動で、投げを2/3で食らうのは受け入れる選択肢です。
半分減らされるコンボ始動を被弾する可能性は断つ代わりに、投げによる60ダメージは許容する、というような構図ですね。
一方、デカいコンボ始動で暴れるのは投げの拒否を最優先にした行動で、打撃をカウンターで食らうのは許容する選択肢です。
投げを問答無用で潰しに行く代わりに、肘などのダメージは受け入れつつ、以降の読み合いへの影響も期待する形です。
成功時のリターンは大きいものの、逆にコンボ始動をカウンターでもらう可能性もあるため、よりハイリスクな行動となります。
最初に述べた通り、攻める側有利のゲームであるためにどれだけしっかり守ろうとしてもダメなときはダメです。
そうなれば「食らっちゃいけないもの」リストの中からどれが一番マシか、的な選択を迫られることもあるんですね。
もちろん被害がないに越したことはない、けれど無傷にこだわるあまり後々大きな被害を負うハメにならぬよう
傷を浅く済ませるための損切りラインをその時々で見極めなければならない、
みたいな感じの話になるでしょうか。
このように、キャラやステージの位置、そして相手プレイヤーの傾向等、様々な要素が絡み合い刻一刻と変化する中で、
お互いのリスクリターンをリアルタイムで天秤にかけて見出した優先順位を行動に反映するという、
言わば
「自分が支払う必要経費を可能な限り減らしつつ、相手にかかるそれは出来るだけ大きくなるよう行動する」
ための選別作業こそがesにおける「守る」ことの主眼であり、また目的にもなるだろうと思います。
次の記事はそこらへん具体的にどうしたもんか、みたいなお話になるかなと。
今回はここまで。