「二択とはなんなのか」では主にオフェンス視点でのお話でしたが、
この記事ではディフェンス視点を交えて同じ場面を語る感じになるかと思います。
まずはこちらをご覧ください。
なんでこんなことになるかと言えばどちらのプレイヤーも二択が身に付いていない、というのが理由なのですが、
じゃあなぜそれを意識できていないのかと言うと「お互い2Pを食らってもなんとも思っていない」からだと思うんですね。
反面、投げを食らってまとまったダメージをもらうことは危険であると刷り込まれているために、
とりあえずリスクの低い(と思っている)2Pを反射的に出してしまっている、というのが少なくないケースかと思います。
この例を元に「読み合い」について。定義と言うか自分はこう解釈しているよって程度の話ではありますが。
相手の手を予測しあって選択肢をぶつけ合う、競い合うのがその勝敗だけであればこれは「ジャンケン」だと思います。
そこにダメージやフレーム差等、主に数字で表れる結果を加味したものが「読み合い」だと自分は考えています。
で、上記動画のようなケースはどちらも「ジャンケン」をしているだけになっているんじゃないかと思うわけです。
投げを打撃で潰すことには成功していても、そこから先、リターンまでを考えていないために出す技を変えられていない。
つまり与えるリスクも得られるリターンも印象に残らないものでしかなく、ゆえに同じ行動を繰り返してしまう。
この均衡を破るには「投げを嫌って手を出したら投げ以上のダメージをもらった」ことを相手に意識させなければなりません。
なので2Pから攻める側はフレームに沿ったカウンターヒットで痛いコンボ始動となる中段打撃を、
守る側はノーマルヒット、あるいは硬化始動でコンボに行ける重い打撃をとっさに撃てるようになる必要があります。
少なくとも当ててダメージ11の2P程度で暴れるのは割に合わない、と思う程度のダメージが最低条件。
動画に戻り、例えばアキラ側が2Pを潰すヤクホなり、ジャン側が投げを拒否する膝なりを撃てていれば嫌でも頭に刻まれます。
もらうのが80以上のダメージともなれば2Pに限らず不利で暴れること自体に躊躇が生まれるようになりますし、
逆に膝で浮かされるようなことがあれば最速で投げに行くのが怖くなるのも当然のことです。
それでも相手がとっさの行動を変えられないのならば、同様に痛い打撃をあと2回ほど食らわせてしまえばまず勝ちです。
今回の例だと、アキラ側はジャンが打撃を食らわぬよう安易に手を出してこなくなってから初めて投げに行く理由が発生します。
それまでは2Pを当ててコンボ始動を撃ち続けるだけでいい、というよりそこから変える必要がありません。
こちらの意図を察した相手が選択肢に変化を付けるようになってからが読み合いとしてはスタートラインです。
一度に与えるダメージの大きさはそのまま相手への説得力になります。
そのため細かいところで小さい勝ちを積み重ねるよりも、絞り込んだ勝負所で一度に大きく勝つのが重要だと言えるでしょう。
ここに生まれる心理戦、言わばわからせ合いこそが「読み合い」の本質であると結論付けて〆。
今回はここまで。
次は同じく2Pを起点とした読み合いを例にリスクとリターンの取捨選択について書いてみようと思います。