今回は防御技術の代表的なものを挙げて具体的な解説を。
それぞれのメリット、デメリットを箇条書きにし、それをもとに取捨選択の仕方を考え組み立ててみましょう。
ゆとり抜けガード
→メリット
・回転系含むすべての上、中段打撃をガードすることができる
・投げを一つ抜けられる
・操作が簡単
→デメリット
・下段を食らう
・投げを2/3で食らう
・ガード崩しには無力
屈伸
→メリット
・回転系含むすべての上、中段打撃をガードすることができる
・最速で撃たれた投げをしゃがみステータスで無効化することができる
→デメリット
・使用可能な場面が-5以下の不利に限られる
・操作が難しい
・展開が早く状況判断が難しい
避け抜け
→メリット
・直線、方向の合った半回転打撃を上中下問わず無効化することができる
・投げを一つ抜けられる
・打撃を避けた時、ガードするよりも大きな有利を取れることがある
・打撃を避けた時、相手の側面を取ることができる
・相手の遅らせた打撃をノーマルヒットで食らうことができる
→デメリット
・全回転、方向が逆の半回転打撃を上中下問わずカウンターで食らう
・投げを2/3で食らう
・相手の遅らせた打撃をノーマルヒットで食らってしまう
・展開が早く状況判断が難しい
避けキャン
→メリット
・直線、方向の合った半回転打撃を上中下問わず無効化することができる
・投げを一つ抜けられる
・打撃を避けた時、ガードするよりも大きな有利を取れることがある
・打撃を避けた時、相手の側面を取ることができる
・不利が小さければ相手の回転系打撃をガード出来ることもある
・不利が小さければ相手の遅らせた打撃をガード出来ることもある
・避けキャンをしゃがみダッシュで行えば遅らせた投げを無効化できることもある
→デメリット
・不利が大きければ全回転、方向が逆の半回転打撃を上中下問わずカウンターで食らう
・投げを2/3で食らう
・操作が難しい
・展開が避け抜けよりも早くなり状況判断がさらに難しい
バックダッシュ
→メリット
・相手の短い技をスカして大きな有利を得ることができる
・不利が小さければ相手の投げもスカすことができる
・相手の様子見などに合わせ状況を仕切りなおすことができる
→デメリット
・届く打撃はもれなくカウンターで食らう
・ミドルが届いてしまうと死ぬほどひどい目に合う
・そもそも不利が大きいと打撃も投げもスカせない
暴れ
→メリット
・上段下段問わず投げを無効化できる
・早い技を用いればフレーム通りではない相手の打撃(遅らせ含む)をカウンターで潰せることもある
・ノーマルヒットでコンボに行ける重い打撃を用いれば投げに来た相手に大ダメージを見込める
→デメリット
・相手の打撃をカウンターで食らう
・相手の様子見にはより大きな隙を晒すことにもなりかねない
・最速でフレーム通りに組み立ててくる相手には通用しにくい
ぼっしゃが
→メリット
・上段投げを無効化できる
・下段打撃をガードすることができる
・上段打撃をスカすことができる
・中段打撃をしゃがみノーマルヒットで食らうことができる
→デメリット
・下段投げを2/3で食らう
・中段打撃をしゃがみノーマルヒットで食らってしまう
・-6以上の不利では屈伸同様上段投げを無効化することができない
共通のテクニックであれば注釈含めざっくりこんなところでしょうか。
他にもKキャンだとか五郎式などと呼ばれている技術もあったりしますがとりあえずは忘れておきましょう。
これらは明らかに超上級者向けであり、少なくとも爆焔神アキラ(2022/09/23現在)は使用していません。
なので上記のものを用いどう守るかを考えていきます。
どう守るか、というのはもう少し言うと何を防ぎたいか、相手の出してくるどれを食らいたくないのか。
それらに自分の中で優先順位を付けて、結果に沿った対応を状況、相手に応じ選択することです。
ゆえに結局は相手次第となりますが、いきなりこの結論をブン回すのもいささか乱暴すぎると思うので、
まずは相手を問わないシステム面からの考察を指針とするのが良いでしょう。
・リングアウトや壁を除けば一番食らいたくないのはなんといってもカウンターのコンボ始動打撃です。
分かりやすいのは膝クラスのそれであり、コンボ含め半分減らされることも珍しくないのはよく見る光景として、
まず膝カウンターの時点でもう痛い。膝でなくとも例えばアキラのヤクホカウンターですら単発で30減っており、
通常投げのダメージが大半40であることを踏まえると「カウンターで打撃を食らう」こと自体が
このゲームにおいては大きなリスクであることがわかるのではないかと思います。なのでこれが最優先。
・次いで食らいたくないのが投げです。ガードでは防ぐことのできない投げが成立した時点であとは運任せ、
2/3で最低でも40、最大90程度のダメージを奪われます(壁などを考慮しない場合)。
これを完全に防ごうとするのならばリスクの軽減にしかならない投げ抜け頼りではダメで、
投げそのものを無効化することが可能な選択肢を取らなければなりません。
以上、この二つで食らいたくないものランキング完成。
その他回転系、下段やガード崩しだとかいろいろあるものはそれだけに絞った守り方は基本推奨されません。
これらはあくまで打撃と投げを防ぐのに付随させる形で、ついでに防いでおくようなやり方が望ましくなります。
また、例えば「回転系」と属性は同じに扱われていても、キャラや技によって非常に個性が出やすい部分でもあるため、
それらの多くはキャラ対の範疇に含まれる要素だとひとまずは考えていいでしょう。
というわけで話を戻すと、基本的には「カウンターで打撃をもらわない」を最優先にすることを指針としましょう。
特に初見の相手にはゆとりガードで守りつつ相手の出方をうかがうのがセオリーとなります。
ここで注意したいのは、投げ抜けが嚙み合い全然食らわないのだとしても投げへのケアが必要ないわけではない、という点。
こちらの被害にかかわらず、積極的に投げてくる相手だと判断出来たならそれに合わせた対策へシフトする必要があります。
屈伸可能なフレームなら屈伸を、あるいは投げが来ると予測出来たなら大きな打撃をパなす用意を。
これは本当に勘違いしやすい部分で、投げの方向を予測し出すのは読み合いではなくお願いです。
超上級者が投げ抜けのうまさを褒められて「運が良かっただけ」と言っていたりするのは、
おそらく謙遜だけでなく投げ抜けは読みや技術を磨くものではなく結果論である、と考えているためだろうと思われます。
ぶっちゃけ投げ抜けに上手い下手はあると自分は考えていますが、しかし対戦において投げを抜けることは目的ではないわけで、
ゆえに読み合いに用いるべきリソースを投げ抜けの方向を考えるのに使うのは適当ではない、と考えるべきです。
投げを狙ってこない相手には極論屈伸も暴れも必要なく、ガードしてから得られた有利に応じて二択、
もしくはフレームに沿った確反を決めていけばおのずと試合は決まっているでしょう。
連携をばらまいてくる場合にも、下手に手を出さずガードで耐えきってから動いた方がいいことは非常によくあります。
あくまで基本はカウンターで打撃をもらわないこと、そのためには投げのダメージは必要経費だと割り切ることも時に必要です。
打撃をカウンターでもらいたくない、けれど投げられたくもない時はぼっしゃがの出番です。
上記二つを拒否するかわりに、しゃがみノーマルヒットで中段を食らうリスクを今度は許容することになります。
しかし、これが最速二択をしっかり仕掛けてくる相手であるほど有効に働きやすい点でもあって、
例えば2P暴れにアキラのヤクホが刺さってしまえばコンボ込みで80前後のダメージをもらうところ、
しゃがみガードに徹してさえいればダメージ20かつダウンで仕切り直すことができるんですね。
こうなればヤクホでは割に合わず、相手はしゃがみにまとまったダメージを取れるか、
もしくはしゃがみに攻めを継続可能な別の打撃を考えなくてはならなくなります。
つまり「一回の読み合いを複雑に出来ている」ことになります。
それだけでなく、当然下段はガード出来ますし上段はスカせる、つまりガード崩しの対策にもなります。
これが先ほど述べた「打撃と投げを防ぐのに付随させる形で、ついでに防いでおく」に符合する点です。
すでに気付いている人もいるかもしれませんが、今述べた内容がそのままアキラ対策になってもいるんですね。
避け方向やフレームを覚えて~みたいなのよりもよっぽど簡単かつ有用なキャラ対策となりうるため、
システムと照らし合わせる考え方含め覚えておいて損はありません。
守る、という観点からするとノーマルヒットを受け入れるやり方はちょっと馴染みづらいかもしれませんが、
これまでの記事でも述べたように、許容できるダメージを必要経費とする考え方はとても大事。
次は暴れについて。
投げ一点読みの打撃暴れは与えるダメージ=以降相手にとって投げに行くリスクとなり、
その場限りの投げ無効化だけにとどまらず、試合全体の主導権を争う上でも有効かつ強力な手段です。
反面、こちらはさんざん繰り返し述べてきた「カウンターで打撃をもらう」危険を侵しています。
ゆえに取りに行くダメージの量でリスクリターンの釣り合いを取りにいく必要が出てくるようになり、
であればここではなるべく痛い打撃を選びたい、となるわけです。
しかしだからと言って細かい暴れが必要ないということではありませんが、その話はまた次回以降。
最後に避け絡み。
避け抜け、避けキャンどちらも用途はそう大きく違わず、状況、相手次第で使い分けるくらいでしょうか。
そもそも避け自体投げに強くなく、打撃をカウンターで食らう危険性をはらんでもおり、
抱かれているイメージほど便利な手段では決してありません。
加えてリターンを得るためには避けた後の行動を状況に合わせて選択する必要があったりで、
少なくともesにおいては防御手段と言うよりかは攻守を切り返すための攻撃的行動と考えた方がいいかもしれません。
ちょっと突き放した言い方になってしまいますが、展開についていけないうちはあまり避けを用いるべきではないでしょう。
単発技を避けた後に投げを入れられる、その判断が出来るようになるくらいがまずは最初のハードルかと思います。
とても大雑把にですが説明終了。
省いてしまいましたがバックダッシュはより局所的な狙いにしかならないので、これもキャラ対の類になりそうです。
とにかくガードを頑張って、相手のターンが終わったと確信できたところで今度はこちらから最速二択。
これが上級者の言う「しっかり守って、きちんと二択をかけましょう」の正体です。
やれることを増やすのは後回しでいいので、まずはガードを固めている最中に相手の動きを見られるようになるのが大事です。
以上、今回はここまで。
次は読み合いについてのお話になるかもしれない。