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リスク管理とはなんなのか

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kan
kan
読み合い一つ一つにおける選択肢の取捨選択についてがここまでの記事における主旨でした。
今回はそこからもう少し視点を引いて、試合全体を見る上ではどう考えたらいいのか、
というあたりのお話に例を挙げつつ触れていきたいと思います。

状況、フレーム差に応じて毎回適切な手札を切るというのは可能であればもちろんそれに越したことはありません。
しかしプレイヤーが人間である以上限界があるというか、ぶっちゃけ疲れますよねって話で。
延々こなし続けることのできるタフな人もいたり、ごまかすのがうまい人もいたりとやりようはあるのかもしれません。
ですが、現実的には読み合いに用いるリソース配分によるやりくりをまずは身に付ける必要があります。
 
リオン戦の日常。
下段全回転かつノーマルヒットでダウンと高性能なこの技に苦しめられるプレイヤーは少なくないかと思います。
投げと中段読みでゆとっていたら転ばされ、投げ読みで暴れたら転がされ、避けを絡めた全てが転ばされといった具合に。
そうなるともう何をやっても食らうしかないような気がしてしまって読み合いどころではないですね。
俗に言う脳が煮えた状態です。なんすかじゃあどうすればいいって言うんすか。

下段ガードへの意識配分だとか割り切りのぼっしゃがだとかを考える前に、ここで着目すべきはダメージの数字。
ダメージ20の2K+GをNHで4回食らっても、たった一度の最大確反だけでひっくり返すことが出来ているんですね。
極端な話、ガードして33Pを返すことができるならば5回に1回ガードするだけで帳尻が合うことになります。
この考え方、あるいは認識の仕方が試合で勝つためには大事なところで、トレモだけでは身に付きづらい点です。

動画の例で言えばリオンの2K+Gは中段とセットでこちらのディフェンスを揺さぶってくるのがセオリーで、
じゃあ中段をガード出来たら今度はこちらの二択、2K+Gをガード出来たら確反をと考えるのが当然の思考です。
で、この時どうしても意識配分を均等にしてしまいがちなんですね。これがまず陥りやすい罠。
食らって痛いのは圧倒的に中段の方であり、ならば立ちガードを多めで守るのが基本的には正しく、
2K+Gをノーマルヒットで食らうこと自体を必要経費と割り切る心構えが必要となります。
その根拠となるのが上で述べたダメージの数字である、というわけです。

ひたすらランダムに中下段を振り分けてくるような相手なら、下段ガード多めで淡々と確反を返すという戦略でもいいのですが、
強いプレイヤーはそこを悟らせないように動いてきますし、「立たせるための中段」「しゃがませるための下段」を
効果的に使ってきたりもします。その探り合いに付き合ってしまうこと自体が相手に主導権を握られているも同然で、
ゆえに相手の行動に対応するのではなく、こちらの狙いを通せる箇所を見極めることに思考を巡らせるのが肝となります。

どうしても「中段はガードして最速二択、下段が見えたら反応してしゃがむ」のように考えたくなるものではありますが、
これを実践しようとすると脳のメモリが絶対に足りません。普通の人にはおそらくトレモですら長時間こなすのは無理です。
だからこそ攻めにしろ守りにしろポイントを絞り込み、その一点で可能な限り大きくダメージを取りに行くべきだと。
動画の話であれば、

「避けは減らしつつなるべく立ちガードでしのぎ、下段をガード出来たら絶対に最大コンボを決める」

のように考えるのが現実的と言えるでしょう。
ちなみにその際、下段ガードと確反をしっかりセットにして一つの思考へとまとめておくのが一番大事。
せっかくガード出来ても、とっさに返せるのが2Pとかしかなかったりすると天秤が釣り合わなくなってしまうからですね。
これまでの記事でも述べてきたように、与えるダメージの数字がそのまま相手への説得力となるため、
同じコンボであっても確反に用いる場合のそれは、試合の主導権を争う上ではより重要であると心がけましょう。

特に初級~中級者同士の場合、自分の手癖に相手の手癖が噛み合い一方的に倒す、あるいは倒されるようなケースが少なくなく、
そのような相性が大きなウェイトを占める対戦からは、勝敗を問わず地力を高めるための反省材料は得にくかったりもします。
そこを明確にするための基準が手癖に頼らないシステムに沿った読み合いであるというのはすでに何度も述べた通り、
つまり初心者帯から抜け出すには、まず良くない手癖の矯正を、更にその上で攻防のセオリーに沿った手癖を新たに身に付け、
自分主導で相手をフレームベースの読み合いに引っ張り込む手法とする
、というのが上達を目指す上での正攻法と言えます。
そして読み合いの結果を試合の勝利に結びつけるためには、読み勝ちの回数だけを重視するのではなく、
ダメージの差し引きの概念をそこに組み込みながら考えて展開を組み立てる
のが重要なファクターとなります。

余談ですが「同じくらいの強さの相手よりも高段位者の方が読み合いが出来て楽しい」という発言を見かけることがあります。
これは相手に読み合いのテーブルに載せてもらっている、あるいは載せられてしまっているから、と言うのが恐らくは理由です。
当然ながら主導権は相手側にあり、その上でちゃんとトータルで帳尻が合うようにしてくるのが上級者なので、
そういった対戦経験だけを積み重ねても、試合運びの普遍的な上達には直接繋がりにくいように思われます。
もしくは、上級者との対戦では「自分がどう動かされているか」に注目しつつ参考にするのがいいのかもしれません。


フレームに沿った攻防が大事なのはいまさら言うまでもありませんが、それが常に正解と言うわけでは決してありません。
変に意識しすぎると、例えば「+2だから肘を撃たなければならない」のような思考に捉われてしまうようになったり、
更にこじらせると「全キャラのフレームを覚えるのがスタートライン」的な陰謀論キメちゃったりでもう目も当てられません。

また、凝り固まったこだわりは「このコンボ決めたからヨシ!」「見せ場は作ったからヨシ!」みたいな方に行きやすく、
そういうのも対戦のモチベーションとなるのならば問題はありませんが、対戦の目的から目を逸らした結果だったりすると
若干危ういと言いますか、ぶっちゃけ闇堕ち一歩手前の兆候だったりもするのでそういうときはちょっと休もうね!


今回はここまで。いろいろ書いた気がしますが、
ガード後の確反はきっちり!それからできれば二択をかける状況を自分で作れるようになろうね!
というのを冗長にしたらこんな感じになったと思ってもらえたらたぶんそれであってます。

次回は技術方面の話をできたら。たぶん手癖とは~みたいな内容になりそうかな。
更新日時:2022/12/02 12:28
(作成日時:2022/12/01 20:17)
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