1994

手癖とどう付き合っていくべきなのか

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kan
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はじめに言ってしまうと手癖に頼った戦い方が弱いのかっつったら別にそんなことはありません。
強力かつ効果的なセットプレイというものがVFesにおいても数多く存在する以上、むしろ強いまであります。
じゃあ何がダメなのかっつったら手札が何であれバレたらヤバいの一点に尽きる、というのは前回述べた通りです。

軽い気持ちで撃った2Pであろうとも読まれてしまえば平気でゲージ半分、場合によっては致命傷ともなりうる世界で、
いかに強力と言えど、「入れ込み」や「セットプレイ」の類は弱点を率先して晒していることにもなりかねません。
なので、そこを悟られぬようだましだましやっていくためにうまいこと行動を散らしていかなくてはならないのですが、
そういった偏りのない戦い方を目指す妨げとなるのが、コントロールの効かない「手癖」というわけです。

じゃあそれをどうすればというのが次の話で、
しかしこれはコントロールを身体で覚えましょうという当たり前の結論にしかなりません。
ゆえにそれが出来るようになるまでひたすらトレモなり実戦なりをこなし続ける、
というのも一つの手というかまあそれが正攻法なのでしょうが、
そういった肉体言語的なアプローチはひとまず置いておき、
理屈の方からだとどのようなプロセスとなるのかを考えてみます。


一つの例として、P→肘という連携について。
これ自体はPが触れてさえいれば相手の暴れには基本的に割られることはないために、攻めの起点として非常に強力です。
このようなフレームの基本に沿った組み立てであれば相手の動きにも結果が左右されにくいですし、
仮に肘を読まれていたとしても大怪我することはあまりないため、手癖としても優秀な類のものと言えます。
で、この連携のどこが一番の穴となりうるかと言えば「Pが相手に触れているか否か」という点です。
巷でよく見るのはしゃがまれてそこから出てくるアッパークラスを肘に合わされるパターン。
これがもうほんとマジで食らう人は一生食らい続けるやつで自分も矯正に苦労しました。だいたい10年くらいかかったかな!

なお、同じ場面で避けやスカしなども懸念材料ではあるのですが、前者は状況によって有利不利が入れ替わるほどに流動的で、
後者は捌き、当身などと同様キャラ対要素が強いため、システムをベースにした今回の内容とはまた別の話になります。
以下参考動画。
 
話を戻し、なんでP→肘みたいな初歩的な動きを直せないかってまあ相手を見ていないからというのは当然として、
特に自分の場合一番の原因となっていたのは、基本的に連携におけるヒット確認のやり方が間違っていたから、
もう少し具体的に言えばPを撃った時点でもう肘のヒット確認の方に意識が向いてしまっていたから
だったんですね。

手癖がなぜ手癖となりうるのか、それは行動に思考が伴っていないからです。
前記事でも書きましたが、手癖は分析とその反映により自ずと修正されるものであるためその内容はあまり問題になりません。
で、分析にしろその反映にしろそこに用いるべき思考が疎かになるのは単純に楽をしたいがゆえのサボりがまず一つ、
そして手癖となっている「連携」を一個の技として認識してしまっている、というのがもう一つの理由であるように思います。

つまり、「連携」と言えどそれを構成する技一つ一つに意識を巡らせる必要があるわけで、
上記の例で言えば、Pを撃った時点で「次の行動を分岐させるために行うヒットエフェクト主体の状況判別」だけではなく、
「以降の試合内容に反映するための、こちらの動きに対する相手の行動分析」を行う正しいヒット確認をしなければなりません。


だいぶ難しく書いてしまいましたが、実際のところはP撃ってしゃがまれてたら続けて肘を撃たない想定をしながら動こうね、
あとPしゃがまれることが多いようならP省いて直接肘撃つようにした方がいいかもね、くらいの感じです。
展開早いとこであんま詰め込み過ぎても脳壊れる。


試合中、集中力が高まるほどに視野は狭まり思考にも偏りが出てくるものです。
それで失敗を繰り返しつつも学習し上達していくものではありますが、
一方でその状態のまま事がうまく運び成功体験を積み重ねてしまうのも考え物で、
要は強力な連携に頼りすぎるとそれはそれで思考停止に繋がりやすく、
また新たに手癖を産み出してしまう要因ともなってしまいます。

楽な方向に流れやすいのは誰しもそうでしょうし、
考える場所を減らして楽をすること自体は別に悪いことではありません。
むしろそれが正しいというか、
「打撃と投げのシンプルな二択を仕掛けましょう」
というのはつまるところそれを目指した概念です。


ただどんな行動にも穴はあるものなので、そこを突かれたときに選択肢を改められるだけの余地を残しておきましょうね、
選択肢の偏りを正そう、偏りのない行動を目指そうと思ったら、まんべんなく偏りのない思考をまずは意識しよう
というお話。


今回はここまで。
屈伸できるようになって喜んでたら下段投げ一生食らうマシーンになって壊されるのもよくある通過儀礼。

次回は手癖ともっと仲良くなってみよう的な。たぶん。
 
更新日時:2023/02/27 12:23
(作成日時:2023/02/26 22:20)
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